犬と猫の健康を維持するためには、歯のケアが欠かせません。
しかし、愛犬や愛猫に歯磨きをしようとしても、嫌がったり、暴れたりしてしまうため、歯磨きを行うことが難しいと感じている飼い主様もいるのではないでしょうか。
犬や猫は自分の口元に触れられることに抵抗を感じるため、適切なトレーニングを行うことが重要です。
今回は子犬や子猫の歯磨きトレーニングについて、歯磨きの重要性や注意点などをご紹介します。
■目次
1.なぜ歯磨きトレーニングが重要なの?
2.歯磨きトレーニングの方法
3.トレーニングの際に気を付けること
4.まとめ
なぜ歯磨きトレーニングが重要なの?
多くの犬や猫は、自身の口周りを触られることを嫌がります。また、歯磨きの目的も理解できないため、歯を磨こうとしてもうまくいかない場合がほとんどです。
そのため、飼い主様は「嫌がっているから、無理に行う必要はない」と感じてしまうこともあるかもしれませんが、実際には3歳以上の犬や猫の約8割が歯周病を発症しているといわれています。
歯周病が進行すると、痛みからうまく食事が取れなくなったり、最悪の場合、顎の骨が溶けて骨折したりする場合もあります。
これらの健康上のリスクを防ぐためにも定期的に歯磨きを行うことは非常に重要です。
歯磨きトレーニングの方法
歯磨きトレーニングを始めるには、生後3週間頃から乳歯が生え始めた段階で行うことが理想的です。
トレーニングの手順としては、以下の通りに進めていくことが効果的です。
①口を触られることに慣れさせる
まずは、顔全体を優しく撫でましょう。それに抵抗がない場合は、少しずつ口周りにも手を伸ばしていきます。
また、頭を撫でる際と同様にやさしく触り、リラックスさせることが大切です。
②口を開けて歯に触る
次に唇をゆっくりとめくり、歯の様子を観察しましょう。唇をめくる動作に慣れたら、前歯を軽く触ってみましょう。これに抵抗がなくなったら、少しずつ奥歯にも触れられるように練習していきます。
③ガーゼで歯磨きをする
口元に触れることへの抵抗がなくなってきたら、濡らしたガーゼを指に巻きつけて歯の表面を磨きます。しかし、最初からすべての歯を一度に磨くのではなく、まずは1日に1本ずつ歯を磨き、徐々に磨く歯の数を増やしていくと良いでしょう。
④歯ブラシを使用して歯磨きをする
ガーゼで磨くことに慣れたら、次は歯ブラシを使用しましょう。まずは歯ブラシを犬や猫に見せて、匂いを嗅がせましょう。そうすることで、歯ブラシに対する恐怖を取り除くことができます。
歯ブラシへの抵抗がなくなったら、軽く歯に触れて嫌がらなければ少しずつ磨く範囲や時間を増やしていきます。
トレーニングの際に気を付けること
歯磨きは多くの犬や猫にとって、あまり楽しいものではないことがほとんどです。
強引に歯磨きを行うと、お互いにストレスがたまり、信頼関係が崩れてしまうこともあります。そのため、焦らずに時間をかけて取り組むことが大切です。
また、嫌がらずにできたら、良く褒めたり、おやつなどのご褒美を与えたりすることで、その行動を楽しい経験として結びつけることが効果的です。
まとめ
犬や猫も人間と同じように、健康で長生きするためには、歯と口内の健康を維持することが非常に重要です。トレーニングは楽しく行い、急がず、ご褒美を活用しながら優しく進めることが成功につながります。
また、口元に触れることに慣れると、投薬の練習にも役立ちます。
当院では、飼い主様と愛犬愛猫、スタッフの3名で行う、歯磨き教室を無料で開催しています。
歯磨きトレーニングがうまく実施できないなど、どんな些細なことでも、何かお困りのことがあれば当院にご相談ください。
愛知県名古屋市守山区
犬や猫、うさぎ、小鳥、ハムスター、フェレットなどの幅広い動物の診療を行う動物病院
『小幡緑地どうぶつ病院』
TEL : 052-778-9377