子犬と子猫の健康チェックの重要性について|病気の予防と早期発見

子犬や子猫が健やかに育っていくために重要なのが、動物病院での健康チェックです。特に若い犬や猫では、病気の発見や予防だけでなく、きちんと成長しているか、飼育するうえで困ったことはないか、などを確認することもとても大切です。

今回は子犬や子猫の健康チェックの重要性について、具体的な項目やよくご相談いただく問題を中心にご紹介します。

 

■目次
1.健康チェックの重要性
2.初回健康チェックのタイミング
3.健康チェックで行うこと
4.予防医療
5.子犬や子猫によくある健康問題
6.まとめ

 

健康チェックの重要性


健康チェックは、身体の異常をいち早くみつけて重症化する前に治療を行い、病気の発生そのものを予防するために実施します。特に子犬や子猫は成犬や成猫と比べて体の機能やつくりが未熟なため、より重要性が増します。

健康チェックには病気の発見や予防だけでなく、次のような役割もあります。

 

<成長過程の管理>

太りすぎや痩せすぎることがなく筋肉、骨格がしっかりと育っているか、攻撃性がなく精神面での問題がないか、といったことも確認します。

 

<飼い主様とのコミュニケーション>

動物病院は、獣医師や動物病院スタッフと飼い主様とのコミュニケーションの場でもあります。10年、20年とお付き合いいただくことになるため、病気以外のことでも普段の生活で気になることや健康維持について不明点があれば、獣医師に相談しましょう。

 

初回健康チェックのタイミング


子犬や子猫をお迎えした直後は環境に慣れていないため、不安やストレスを感じています。まずは生活環境に慣れるのが先決であるため、お迎えしてから1週間以降に初回の健康チェックを受けましょう

なお、落ちているものやボールなどのおもちゃを飲み込んでしまったり、高いところから降りたあとにびっこを引くような仕草をしたりする場合は、緊急の対応が必要です。ご自宅の近くで救急外来を受け付けている動物病院をあらかじめ調べておきましょう。当院では夜間の緊急時でも対応しておりますので、何かあったときにはすぐにご連絡ください

 

健康チェックで行うこと


健康チェックでは以下のような検査を実施します。

・身体検査
・体重測定と体型チェック
・被毛と皮膚の状態
・目、耳、鼻、口腔内のチェック
・心音と呼吸音の聴診
・腹部の触診
・骨格と筋肉の発達確認
・行動観察
・活動性のチェック
・社会性の発達状況

 

予防医療


子犬や子猫で特に重要なのが予防医療です。
ワクチンには混合ワクチンと狂犬病ワクチンがあり、それぞれ接種スケジュールは異なります。

 

<混合ワクチン>

初回は6〜8週齢(できれば生後45日目)に接種します。その後は3ヶ月齢(生後90日目)で追加接種を行うことが推奨されています。

 

<狂犬病ワクチン>

生後91日以降、必然的に2回目の混合ワクチン接種から1ヶ月後の生後4ヶ月齢に接種し、以後年1回の接種が法律で義務付けられています

 

その他に、寄生虫の駆除も欠かせません。最近では、ノミやダニとともにフィラリアも一緒に予防できる駆虫薬が開発・販売されています。その剤形も、チュアブルタイプやスポットオンタイプなど多岐にわたるため、犬や猫の性格や飼育環境に応じて最適なものをご提案します。

 

子犬や子猫によくある健康問題


子犬や子猫では、次のような健康問題がよくみられます。

・消化器系の問題(下痢、嘔吐など):ストレスでみられる場合もあります。
・寄生虫感染:特に野良猫を保護した場合には注意が必要です。
・先天性疾患:目立った症状がみられなくても、健康チェックによって偶然みつかることもあります。
・感染症:ワクチン接種によって予防が可能なものもあります。

 

まとめ


健康チェックは、子犬や子猫が長く健やかに過ごすうえでとても重要です。まずは信頼できる動物病院をみつけ、定期的に受診し検査を受けることで、病気の予防や早期発見・早期治療に努めましょう。

 

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